皇室

「東久邇宮記念会」は「皇室商法」団体なのか? 取材に「驚きの解答」(宮本タケロウ)

文/宮本タケロウ Twitter

「東久邇宮記念会」とは…

巷の皇室ファンなら恐らく知っているだろう。「東久邇宮記念会」という団体と、同団体が発行する「東久邇宮記念賞」東久邇宮文化褒賞」という褒賞がある。

「東久邇宮記念賞」は「宮」と名称が付き菊のご紋章が表彰状に印字されるが、宮内庁や皇室は一切関係ない民間のNPO「東久邇宮記念会/発明知的財産研究会」が運営団体であり、受賞に際しては、受賞者がNPOにお金を寄付して、受賞するシステムとなっている。

つまり、「褒賞」と言っても、いわばお金を払って賞状を買うビジネスというのが正確な実態だ。(※もっとも、受賞者には最高裁判事や公安調査庁関係者もいるし、「受賞者候補者は面接して選定されるので、誰でも受賞できるわけではない」(関係者談)とのこと)

過激発言で有名なフリーアナウンサーの長谷川豊が2018年に「東久邇文化褒賞を受賞した」とブログにアップして「胡散臭い」とのコメントが多数つき、少し話題になったことを覚えている人もいるかもしれない。

(長谷川豊氏Twitter)

なぜ「東久邇宮」の名前が使われているのか?

この「東久邇宮記念賞」に「東久邇宮」という旧皇族の名称が使用されている理由はなんだろう。同団体のホームページには、創設者の豊澤豊雄のこのような言葉が載る。

当時衆議院議員だった私は、発明振興の為、発明振興議員連盟をつくって幹事長になり、尽くしていた。
その時たまたま東久邇宮盛厚殿下にお目にかかった。殿下の発明哲学は、「発明には上下の別はない。ノーベル賞を100とるよりも国民一人一人の小発明が大切だ。旨いミソ汁を考えた人には『文化勲章』を与えたい。」という思想だった。

私はいたく感激した。この「文化勲章論」は、議員連盟75人の心を打った。それから、殿下と私の二人三脚の運動が続いた。科学技術庁に社団法人発明学会を創ると、殿下はすぐ名誉総裁になってくれた。

東久邇宮記念会ホームページ

1963年が会の設立だそうだが、要するに、設立者の豊澤氏が、旧皇族・東久邇盛厚氏に「名誉総裁就任」を要請し、「東久邇宮」の名前の使用を許可したのが事の始まりである。

(東久邇宮盛厚王と昭和天皇皇女・成子内親王)

現在は東久邇宮記念会の一部門という(財)東久邇宮文化褒賞記念会も独自に活動しており、東久邇宮の宮号を冠した表彰としては、

  • 東久邇宮記念賞(東久邇宮記念会)
  • 東久邇宮文化褒賞(同上)
  • 東久邇宮平和賞(同上)
  • 東久邇宮国際文化褒賞(東久邇宮文化褒賞記念会)

の合計4つの表彰が行われている。

東久邇宮○○賞に対する批判

東久邇宮○○会は、平たく言えば「旧皇族が関わった民間の表彰団体」であるが、宮内庁非公認で宮号を用い、さらに受賞者が金を払って表彰されるシステムから「皇室商法ではないか」という至極当然の批判も多い。

そして、天皇陛下の従兄弟で、しかも男系子孫が最も豊富な「東久邇宮」の名称が関された賞であることから、近年盛んな皇位継承問題の「旧宮家復帰」に関する否定的な意見もある。

当サイト編集長の一条あやかはこう述べる。

「よく『旧宮家復帰』に関して、昭和天皇と明治天皇の皇女が嫁いだ東久邇宮家がその対象として取り沙汰されますが、私はあり得ないと思いますよ。『東久邇宮記念賞』とか『東久邇宮文化褒賞』とか、東久邇宮がカネで賞状を買う胡散臭いの賞状をいくつ乱発してるか知ってます?

東久邇宮家の復帰なんか、竹田恒泰がいる竹田家の次にあり得ないでしょう」(一条あやか)

確かに、日本弁理士会によると、「東久邇宮記念会」の創設者・豊澤豊雄氏(故人)は2002年に日本弁理士会から『知的所有権(著作権)登録と称する商法を行っている』として詐欺罪の刑事告発をされたという事実もある。

当サイト編集長の「胡散臭い賞を出す宮家の復帰はあり得ない」との談も一理あるだろう。

現在の東久邇家は「東久邇宮記念賞」をどう思っているのか…?

しかし、であれば疑問が湧いてくる。

現在の東久邇家側は、自分の苗字が使われて乱発される賞をどう思っているのか、という疑問である。

普通の感覚をしていればこうした「カネで賞状を買う」事業に自分の苗字が使われるのは嫌だろう。どうして今の東久邇家は「東久邇宮」の使用をやめさせられないのか、現在の東久邇家と東久邇宮○○会は関係があるのか、多くの疑問が湧いてくる。

今回はこうした東久邇宮○○賞を巡る疑問を明らかにすべく、電話とメールで取材を試みた。取材先は「東久邇宮文化褒賞記念会」と「東久邇宮記念会」の両方で、以下の3点の質問を行った。

  1. 現在の東久邇家(盛厚氏の孫世代)と貴会はどのような関係・交流があるか?
  2. 貴会が「東久邇」の名前を使用できる根拠は何か?
  3. 賞の名称に「東久邇」の名前を使用するにあたり、貴会は東久邇家側に名前の使用料等は支払っているか?

読者としては③が一番気になるところだと思う。

東久邇文化褒賞記念会に直接聞いてみた

まず、2つある東久邇宮○○会の一つ、東久邇宮文化褒賞記念会に電話取材した。

同団体の明川文保代表は上記の質問にこのような趣旨を語る。

ー現在、東久邇家とどのような関係があるのか?

「もちろん東久邇家と関係はありますよ。賞は殿下の遺言で決まっているものですから。

どのような関係が現在あるかは具体的には言えません。皇室に関わる事なので、電話で話すことではないと思います。が、東久邇家の方に私は会ったこともありますし、東久邇盛厚氏の後妻の方から東久邇宮家の家紋も頂いております

家紋を頂いた際に、正式な証明書をくださいと言ったのですが、『皇室ではそういう証明書は出さないんです』と言われ、昭和天皇ご一家のお写真を代わりに頂戴いたしております」(東久邇宮文化褒賞記念会、明川代表)

明川代表が言うには、「東久邇宮」の宮号を使える根拠は東久邇盛厚氏の遺言であり、宮家の家紋(菊の御紋)を使える根拠は同氏の後妻からの許可だそうだ。

記念賞の賞状には東久邇宮家の家紋(菊のご紋章)が使われるが、最初に盛厚氏が軽い気持ちで「どうぞ使ってください」と許したのをずっと使用しているのだろう。明川代表が「東久邇宮家の人と会ったことがある」というのは勿論、盛厚氏が会の創設に関わったのだから当然である。

東久邇家側は「東久邇宮○○賞」からカネを貰っているのか?

筆者としてはやはり「東久邇家側に『東久邇宮』の名称の使用料を支払われているかどうか」がかなり重要なポイントなのだが、明川代表は、「東久邇の名前を使用するにあたって使用料があるか否か」の質問には終始「それは、言えません(ノーコメント)」だった。

筆者がこの「使用料の有無」を重視する理由は、仮に東久邇家側がお金を受け取って「東久邇宮」の称号を第三者に使わせているのであれば、「皇室利用商法」でカネを貰っていることになり、東久邇家のモラルが疑われる事態となるからである。

2団体が存在する東久邇宮○○会の一つ「東久邇宮文化褒賞記念会」からの回答は残念ながら「ノーコメント」…ということはカネを払っているのか? どうなのか…

気落ちする筆者にもう一つの団体「東久邇宮記念会」から、質問への回答メールが送信されてきた。

「ご指摘頂きました会運営における名称使用につきまして。確認致しましたのでご報告申し上げます…」

果たして東久邇家側に支払う「使用料」は発生しているのか…

慇懃な一文から始まる同記念会からの回答は、筆者の想像を超えるものだった…

次回に続く↓


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