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終戦から74年
終戦から74年を迎えた本日令和元年8月15日、東京都千代田区の日本武道館で全国戦没者追悼式が開催された。
式典には天皇、皇后両陛下、安倍首相、全国の遺族ら約5000人が参列。
正午から参列者全員が、戦禍に散った310万の御霊に黙とうを捧げた。陛下は、戦後70年だった2015年以降、上皇陛下がお言葉に盛り込んでいた「深い反省」などの表現を継承された。
戦後生まれの陛下は、幼いころから上皇両陛下の平和を願われ、歩まれる姿を見てこられた。
戦後70年の平成27年には、誕生日に際しての記者会見で、「私自身、戦後生まれであり、戦争を体験しておりませんが、戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」とのおことばを述べられていた。
天皇陛下 おことば全文
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来74年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
関係者の声など
今年5月に即位された天皇陛下と皇后雅子さまの追悼式参列は初めて。
未だ療養中の皇后雅子さまのご体調に一部からご臨席について不安視する声もあったが、皇后さまのお姿は堂々たるものだった。
「即位後初となる重大な式典ご臨席だったため、国内のみならず世界からも注目を集める中でした。一部報道では雅子さまの体調面を気遣う声もありましたが、心配に及びませんでしたね。
先日のナイチンゲール記章授与式での気品あふれる佇まいも記憶に新しいですが、雅子さまは着実に新しい時代の皇后としてためらいなく歩まれているご様子でした」(皇室記者)
「注目された陛下のお言葉は、大変穏当なものになりました。戦没者やその遺族の方々のみならず、近隣諸国にまで配慮されていました。天皇皇后両陛下の佇まいには威風が感じられ、厳かな式典になったと思います」(宮内庁関係者)
SNS上でも多くのコメントが寄せられている。
それを踏まえた上で、国の発展や幸せを祈っていらして、令和の平和で明るい未来も感じました。
陛下のお言葉のように良い時代になりますように。
言葉はわかりやすいのに、強く訴えかけるものがあった。ネットに上がっていると思うので、多くの人に全文を読んでほしい。
安倍首相は靖国神社に参拝せず
安倍首相は2013年の靖国神社への参拝が大きな論争を起こしたことからそれ以降の参拝は見送っていたが、令和元年となる今年も参拝はせず、供物料の奉納のみにとどめた。
靖国神社(東京都千代田区)には早朝から多くの参拝者が訪れ、平和への祈りをささげた。
(編集部)