Contents
文/編集部
再度「大嘗祭」支出に苦言を呈された秋篠宮殿下
昨年11月30日、秋篠宮殿下は、54歳の誕生日を迎えられた。現在、殿下は、今年皇嗣として初めて迎える誕生日を前に、お住まいのある赤坂御用地で記者会見に臨まれた。
この会見で何より注目されたのが、眞子さまと小室圭さんのご結婚問題に関する発言であったが、それと同時にもう一つ特に注目されていたのが、大嘗祭に関連する支出の問題である。
一昨年のお誕生日会見で、秋篠宮殿下は「大嘗祭は内廷会計で行なうべき。身の丈にあった儀式にすればと思うが、宮内庁長官などは聞く耳を持たなかった」などと発言され、宮内庁のトップを公然と批判されたことを大きな話題となった。
そのため、果たして、大嘗祭が終わった後に、この問題についてどのようにお考えであるか、多くの関係者から注目されていた。
そんな中で、今回の会見で大嘗祭の支出の問題について問われた秋篠宮殿下の回答は「それについては今も昨年お話しした時と気持ちは変わりません」というものであり、再度、大嘗祭の支出の在り方について疑問を呈されたことになる。
なぜ秋篠宮殿下のご発言が批判されているのか
ここで再度、秋篠宮殿下のご発言の何が問題であるのかについて解説しておきたい。まず、第一に重要なのは、「そもそも大嘗祭の費用を内廷費で賄うことは事実上不可能」なのである。
これは、皇室研究者の高森明勅氏が発表している、「大嘗祭、公費支出に疑義“秋篠宮さまは少し勘違いされている”」と題するネット上の記事でも指摘されているが、内廷費は皇室経済法施行法で規定された定額が毎年、国庫から支出されており、その額はわずか3億2400万円に過ぎない。
一方で、今回行われた大嘗祭に掛かった費用は27億円余りとされ、この事実一つとっても大嘗祭の費用を内廷費で賄うという秋篠宮殿下のご提案が如何に無理難題であるかが理解できる。
また内廷費は「天皇のお手元金」という性格を持つ。そのため、いくらご近親であっても、その使途について内廷「外」の方が口を挟むのは、「少し筋が違うのではないか」とも高森氏は指摘する。
殿下は、「宮内庁長官などは聞く耳を持たなかった」と宮内庁のトップを批判されたが、そもそも大嘗祭は天皇一代に一度限りの重大な祭儀であり、天皇以外の方が、その在り方にあれこれ言及されることに関して、「僭越ではないか」という印象を多くの宮内庁職員が抱いているようだ。
反天皇団体は秋篠宮殿下のご発言を支持
昨年11月14日、大嘗祭の当日には夜東京都千代田区のJR東京駅・丸の内駅前広場で、反天皇制を掲げる団体による大嘗祭に反対する集会があった。
主催者の男性はマイクを持ち「たった一晩の儀式のために27億円もの税金を使い、巨大な神殿が建てられた」と訴え、参加者は「インチキ大嘗祭」などと書かれたプラカードを掲げ「大嘗祭反対」「税金返せ」とシュプレヒコールの声を上げた。
筆者は以前、この団体の関係者の一人にインタビューを行ったことがあるが、今回の秋篠宮殿下の会見でのご発言を受け、再度、電話でお話を伺うことが出来た。
「秋篠宮殿下の大嘗祭の支出の関するお考えに対してはおおむね賛成です」(反天皇団体関係者)
とはいえ、秋篠宮殿下のご発言に関して、疑問に思う点を多々あるという。
「殿下は、大嘗祭の支出に関しては、切り詰めることを要望するコメントを繰り返していすが、一方で、ご自身の皇嗣家に関する支出に関しては、ほとんど言及されていないんですね。
皇嗣家に関わる、邸宅の改修費用、ご家族の召されているご衣裳等々、大嘗祭以外にも切り詰めるべき支出はいくらでもあるように思いますが、それらの点に関してほとんど言及されていない点は残念であると言わざるを得ません。
また、公務と称して、多数の職員や警備員らを引き連れて、様々な催しに参加されているようですが、あれなども税金の正当な使い道であるかは疑問です。果たして多額の税金を使って、20代の娘さんたちが様々な場所にお出掛けすることに何の意味があるのでしょうか?」(同前)
皇嗣家に関わる、様々な公費の支出に関して不満を述べた後に、この団体関係者の方は、「果たして、秋篠宮殿下が即位された際には、身の丈にあった大嘗祭というものを実施されるつもりなのでしょうか?」と最後に一言疑問を呈して会話は終了した。
殿下は、これまでご自身が即位された際に行う大嘗祭の支出については、あまり言及されておられないようだが、果たしてどのようにお考えなのだろうか。